【事例付き】一貫した世界観でファンを惹きつける飲料商品のクリエイティブ設計法

飲料商品の企画を進める中で、「どうすればターゲットに刺さる世界観を作れるのか」「デザインやSNSを含めたすべてのタッチポイントで、一貫したクリエイティブをどのように実現すればいいのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。
私たち株式会社SEAMが手がけたクラフトカクテルブランド「koyoi」でも、同じ課題に直面しました。しかし、「夢見心地」というクリエイティブコンセプトを軸に据えたことで、ターゲットが「これは私のための商品だ」と思えるブランド体験を一貫して届けることができました。

クリエイティブコンセプトは単なる標語ではなく、「どのような情緒的価値を消費者に届けるか」を一言で表現する指針です。この指針があるからこそ、パッケージ、SNS、広告などあらゆる接点でブランドの世界観をぶらさずに伝えられます。
本記事では、私が「koyoi」プロジェクトを通して学んだクリエイティブコンセプトの重要性や、どのようにして「夢見心地」の世界観を具現化したのかを解説します。
- なぜ「夢見心地」というコンセプトを選んだのか
- ターゲットの心を掴むクリエイティブ設計の考え方
- パッケージやSNSを含むタッチポイント全体で世界観を統一する方法
- 「koyoi」プロジェクトから得られる飲料企画へのヒント
ターゲットに響く世界観の商品を作りたい方、飲料商品のクリエイティブ設計に悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
商品企画におけるクリエイティブコンセプトとは?
クリエイティブコンセプトとは、商品が消費者に伝える情緒的価値を一言で表現するための指針です。
商品企画において特に重要な役割を果たすこのコンセプトは、単なるデザインの指示にとどまらず、ブランドが提供したい体験と感情を視覚や言葉を通じて一貫して表現するための「軸」となります。
この「軸」がなければ、デザイナー・イラストレーター・コピーライターなど異なる専門性を持つプロジェクト関係者間でイメージの齟齬が生じ、クリエイティブ全体の統一感が欠けてしまいます。
たとえば、koyoiの事例では「夢見心地」というクリエイティブコンセプトを定めたことで、あらゆる接点で「心をふわっと軽くする夜の体験」を一貫して表現することができました。これは、グラフィックデザイナーからWEB広告マーケター、コピーライターまで、多様な関係者が共通のイメージを持って作業を進めるための重要な指針となるのです。
ブランドを形作るクリエイティブ要素
ブランドイメージを構成する具体的なクリエイティブ要素は、商品企画において非常に重要な基盤を形成します。たとえば、パッケージデザインでは、色・質感・フォント・イラストの選定がブランドの個性を表現する手段となります。
- 色彩
- 「koyoi」ではスモーキーカラーを採用し、リラックスした夜時間を想起させることで、消費者に独自の体験を提供。
- フォント
- 柔らかく丸みを帯びたフォントで、優しさや柔らかさを視覚的に訴求。ブランドのテーマや目的に沿ったフォント選定が重要です。
- ブランドネーミングとタグライン
- 「koyoi」は「今宵」を意味し、夜のひとときを楽しむイメージを強調。さらに、タグライン「大人であろうとする日々に、ひとときの夢を見せて。」は、「夢見心地」を連想させ、商品に情緒的な価値を付加しています。
- WebサイトやSNSのビジュアル
- 「koyoi」のSNS投稿では、夜時間を楽しむシーン写真やユーザーの声を活用したストーリーテリングを実施。WEBサイトはkoyoi独自の商品体験をデジタルでも延長するタッチポイントとして機能しています。
飲料商品ブランドにおけるクリエイティブの重要性
商品クリエイティブにこだわることは、飲料ブランドにおいて非常に重要な役割を果たします。
まず、消費者が商品を選ぶ際に、その第一印象が大きな影響を及ぼします。飲料は嗜好品であるため、機能性よりも共感できる世界観やストーリーが選択の決め手となることが多いのです。
- ターゲットとの情緒的な接点
特に20〜30代の女性の場合、日々多くの役割をこなしながらも「自分を癒したい夜時間」が求められます。 - 記憶に残りやすい一貫した世界観
消費者は「あの商品=あの体験」という認識を持ちやすくなり、ブランドとの結びつきが強化。 - SNSや広告でのトーン&マナー徹底
「夢見心地なひととき」を具体的にイメージさせるクリエイティブが展開できると、強固なブランド認識が形成されます。
クリエイティブ製作の流れ
クリエイティブ製作の流れにおいては、まず明確なコンセプトを確立することが重要です。
コンセプトを作成する前にデザイナーやコピーライターに製作を依頼してしまうと、製作物のトーンの一貫性が失われてしまい、魅力・世界観への没入感が損なわれてしまいます。
商品コンセプトを作成して、それをもとにクリエイティブコンセプトを言語化、クリエイティブコンセプトをもとにブランドのタグラインや視覚デザイン、プロモーション戦略などを作成する。このように、一貫性のある形で落とし込むことで、商品としての統一感が生まれ、ブランド全体の魅力が高まります。
商品要件・商品コンセプトの確定
すでに策定済みの商品コンセプトを基に、ターゲットへの提供価値のイメージをどのように具現化するかが鍵となります。
商品コンセプト自体が決まっていない場合は、まずは商品コンセプトから決定しましょう。
商品コンセプトの企画方法については↓の記事で丁寧に解説しています。

ターゲット市場や提供価値が明確になっていれば、次は具体的な商品仕様(飲料の風味・容量・パッケージデザインなど)を考える段階へ進みます。これらは単なる見た目や味を超えて、消費者に提供する体験そのものを構築する要素です。
- Reason to Believe (RTB)
商品の質や信頼性を裏付ける要素。たとえば、独自の製法や厳選素材の使用など。 - ターゲットにとってのメリット
「買う理由」を明確に示すことで、ブレないコンセプトを応援する大きな支えとなります。
クリエイティブコンセプトの作成
ブランド思想を情緒的価値に変換するプロセスは、クリエイティブコンセプトの最も挑戦的な部分です。ここでは、以下の視点や問いが役立ちます。
- ターゲット層がどんな気持ちになってほしいか?
- 商品を手に取った瞬間に湧き上がる感情が、ブランドの核となるメッセージとどう結びつくか。
- 商品が寄り添う生活シーンは?
- どのようなシーンで使われ、どんな雰囲気を醸し出すのか。そこで届けたい体験は何か。
- 他の商品にはない体験や感覚は?
- 競合と比較した時の差別化要素を整理し、視覚・言葉でどう表現するかを検討。
こうした問いを活用することで、抽象的なブランド思想を具体的な情緒的価値へと変換できます。クリエイティブコンセプトは単なるアイデアの集積ではなく、ブランドの根幹と消費者の感情を繋ぐ重要な架け橋なのです。
コンセプトに基づく各クリエイティブ要素の製作
- パッケージデザイン
- 「夢見心地」を表現するためにスモーキーカラーを採用。落ち着いた中にも浮遊感を意識。
- イギリス在住のイラストレーターに依頼し、日常と非日常が交錯するようなアートを描いてもらう。
- ブランドネーミングとタグライン
- 「koyoi」は「今宵」から来ており、夜の特別なひとときを象徴。
- 「大人であろうとする日々に、ひとときの夢を見せて。」というコピーで情緒的価値を訴求。
- 商品サイトやSNSでのデジタル展開
- Webサイトでは柔らかいアニメーションやスライドを取り入れ、「夢見心地」な感覚を演出。
- SNS投稿ではターゲットが共感できる夜のシーンを提案し、視覚からも聴覚からもコンセプトを共有。
まとめ:一貫したクリエイティブコンセプトで飲料商品の世界観を形成しよう
飲料商品企画において、クリエイティブコンセプトの明確化と一貫した表現は、ターゲットの心を掴むために欠かせない要素です。本記事では、koyoiの「夢見心地」というクリエイティブコンセプトを事例に、コンセプトの重要性やパッケージ・SNSなどのタッチポイント全体で世界観を統一する方法について解説しました。
- ブランドが提供する体験や感情を一貫して伝える「軸」となる
- ターゲットに「これは私のための商品だ」と思わせる情緒的価値を提供
- パッケージ、タグライン、Web、SNSなどあらゆるタッチポイントで一貫した世界観を構築し、記憶に残るブランド体験を実現
- まずは、商品コンセプトを確立させる
- ターゲットが求める情緒的価値を具体的に言語化する
- カラーパレット、フォント、ビジュアルスタイルなどデザイン指針を統一する
- パッケージ・広告・デジタルチャネルで一貫した世界観を表現する
クリエイティブコンセプトを中心に据えたブランド設計は、単なる商品開発を超えた消費者の心に響くブランド体験を生み出します。ターゲットのライフスタイルやインサイトに寄り添い、一貫した世界観を築き上げることで、「ファンを生む飲料ブランド」へと成長できるのです。
株式会社SEAMでは、自社の20〜30代向け低アルコールカクテル商品開発で培った実践的なノウハウをもとに、飲料商品のクリエイティブコンセプト設計支援サービスを提供しています。
本記事で紹介したような、ターゲットの心に響く一貫した世界観の構築や、パッケージ・SNSを含むタッチポイント全体でのクリエイティブ統一を支援し、商品の魅力を最大限に引き出すプロデュースを得意としています。
さらに、コンセプト設計だけでなく、商品開発・クリエイティブ制作・プロモーションまで一気通貫での伴走支援も可能です。
- 「ターゲットに刺さる商品コンセプトが見つからない…」
- 「情緒的価値を伝えるクリエイティブをどう作ればいいかわからない…」
- 「SNSやパッケージを含むタッチポイント全体で、一貫した世界観を表現したい…」
- 「開発からプロモーションまでを一貫してサポートしてほしい…」
このような悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。