Z世代は“非日常”より“ちょっぴり特別な日常”に映えを求める? 飲料商品企画に活かす新トレンド

Z世代というと「SNS映え」や「非日常的な派手さ」を追い求めるイメージがつきまといがちです。
旅行先のリゾートや音楽フェス、特別感あふれるイベントの写真や動画をアップしている姿を、SNS上でよく見かけるからかもしれません。しかし実際のところ、本当に彼らが欲しているのは「イベントの盛り上がり」だけなのでしょうか。

最近では、Instagram上で「日常」に焦点を当てたハッシュタグが大幅に伸びている事実が明らかになっています。
#日常vlog や #おうち時間、さらに #編み物、#日記といった、むしろ“ささやかな日常”を切り取る投稿の増加が目立つのです。

かつては「華やかなSNS映え」を求める世代として注目されていたZ世代ですが、そこにはどんな価値観の変化が潜んでいるのでしょうか。本記事では、ハッシュタグデータが示すZ世代の新たな志向と、その背景にある心理、そして彼らの「日常をちょっとだけ特別にする」感覚を飲料商品企画にどう活かすのかを探っていきます。


目次

Z世代は「非日常」だけを求めていない?

一昔前まで「Z世代=旅行やフェスなど、派手に映えるものが大好物」という見方が主流でした。フェスで花冠をつけたり、海外リゾートで撮ったキラキラした写真をSNSに投稿したりする姿は、多くのメディアでも取り上げられてきました。しかし、実はZ世代は単なる派手好きではないようです。

ある調査によると、Instagramの「#おうち時間」や「#日常vlog」といった、地味とも思える日々の習慣や暮らしぶりを映した投稿が急増しています。例えば、何気ない朝食や洗濯物をたたむシーンですら、日常のひとコマが“映えるコンテンツ”として人気を博しているのです。もしかすると、Z世代は外へ飛び出していくばかりではなく、“手の届くところ”にこそ特別な価値を求めているのかもしれません。


ハッシュタグの伸び率が示す「日常を特別にする」志向

日常を切り取るVlog文化

「非日常的な旅先や派手なイベントをVlogにするのではなく、普段着のまま暮らしている様子をあえて撮る」。そんなコンテンツが今、Z世代から注目されています。例えば「#日常vlog」は直近1年で480%増という伸び率を記録しており、多くの若者がわざわざ特別な場所へ行かなくても、「いつもの部屋」「いつもの朝ごはん」で共感を得られると感じているわけです。

「おうち時間」を自分好みにアレンジ

外出を控える時期が長く続いた影響もあって、「#おうち時間」「#おうちカフェ」というハッシュタグはそれぞれ490%、610%増と驚くほどの伸びを見せています。SNS上には、インテリアを工夫してカフェ風に演出したリビングの写真や、美しいラテアートを施したドリンクを載せる投稿が増えました。カフェ巡りのような“非日常”に行かなくても、自宅を好きなようにアレンジすることで「ここにしかない特別な空間」を味わっているのです。

ストーリーを食卓に:ジブリ飯の大盛り上がり

「日常の中で小さな夢を見たい」という欲求は、食卓にも表れています。アニメのワンシーンを再現する「#ジブリ飯」のトレンドは730%もの伸び率です。ただ料理を食べるのではなく、「この料理はあの映画のあの場面を再現している」というストーリーを持ち込むことで、普段の食事がちょっとだけ特別になるのです。

丁寧な暮らし・シンプルライフへのシフト

さらに「#丁寧な暮らし」「#シンプルライフ」といった、ミニマルで落ち着いたライフスタイルを標榜する投稿も爆発的に増えています。そうしたスタイルは「物は少なくても、自分らしく心地よい空間を作る」という内面重視の姿勢と深く結びついており、SNS映えと聞いて思い浮かべる“派手な写真”とは対照的です。忙しない日常のなかで「自分を見つめ直す時間」を確保することこそ、“今どきの映え”なのかもしれません。

ゆっくり進む編み物・日記の需要

情報にあふれたデジタル社会で、逆に「編み物」や「日記」といったアナログな作業が見直されているのも興味深い点です。SNS上では「#編み物」「#日記」といったタグが600〜700%台という大きな伸びを示しています。作業に集中したり、こつこつと思考を整理したりする過程自体が楽しいという人が増えたのでしょう。“時間がかかるほど味わい深い”と思えるこの姿勢は、派手さや速さだけでは満足できなくなってきたZ世代の本音を映し出しているようです。


「日常の中にある小さな特別感」が支持される理由

Z世代があえて“派手な非日常”にだけ飛びつかず、日常の中の小さな特別感を求める背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、SNSとともに生まれた世代だからこそ、「見せるためのキラキラ演出」に少し疲れてしまったという面があるでしょう。終わりのないSNSのタイムラインに押し流される投稿の数々に、彼ら自身も息切れしつつあるのです。

さらに、不安定な社会情勢や情報過多のストレスがある現代では、外向きのイベントだけでなく、自分の心を安定させる内向きの時間も必要とされます。だからこそ、編み物や日記など“ゆっくりとしたプロセス”に癒しを見いだし、「シンプルだけど自分らしい」ライフスタイルがかっこいい、と思われるようになってきたのです。


飲料商品で「日常の特別感」をどう演出する?

Z世代がこんなふうに「ちょうどいい特別感」を求めるのなら、企業としては商品をどう企画・開発していけばいいのでしょうか。ここでは飲料商品を例に、可能性のあるアプローチを考えてみます。

マインドフルな“新習慣”を提案する

コーヒーやお茶をただ“飲む”だけではなく、そこに小さな体験をあたえるアイディアは、ひとつZ世代の日常を彩る可能性があります。例えば、パッケージにQRコードをつけて、スマホで読み込むと短い音声ガイドが流れる仕組みを用意するのはいかがでしょう。「ゆっくり呼吸を整えながら香りを楽しんでみましょう」などのガイドがあるだけで、何気ない一杯が心を落ち着かせる“特別な時間”に変わります。

体験そのものを楽しめる仕掛け

華やかな包装や派手な広告よりも、「自分でドリップする」「好きなアロマを加える」といった“作るプロセス”を商品に組み込むのも魅力的です。あえて手間をかけることで、完成したときの喜びや達成感が大きくなります。ここに専用のカップやスパイスをセットにした“クラフトキット”を用意すれば、「飲むまでの時間」までがコンテンツとなり、日常の一幕にちょっとした幸せが生まれます。

まとめ:Z世代が本当に求める「映え」は、外向きだけじゃない

新しいハッシュタグの伸び率が示しているのは、「Z世代は単に派手なイベントや特別感のある場所にばかり行きたがっているのではない」という事実です。日常生活のなかで「ちょっとだけ豊かな時間」「ちょっとだけ特別な体験」を重ねていくことこそが、今のZ世代には“映える”のです。

このトレンドは、飲料商品に限らず、さまざまな業界やサービスに応用できるでしょう。大がかりなギミックよりも、心を落ち着けられるプロセスや、わずかに手間をかけることで愛着が湧く仕掛けを設計すること。そのちょっとした違いこそが、日常に新鮮さをもたらし、Z世代の心をくすぐる鍵になるはずです。

今後も「日常を特別に彩る」切り口のアイデアは、さらに需要が増すと考えています。Z世代の新たな価値観を捉えた商品企画を考えるなら、派手な映像や大イベントばかりを追いかけるのではなく、「わたしの暮らしがちょっとよくなる」「心に小さな余白が生まれる」デザインこそが、明日からのヒットに繋がるかもしれません。

SEAMは、若年層にむけた、お酒を中心とした日常の体験価値やシーンを、自社ブランドを通して研究してきました。
日常をちょっとだけ特別にする」感覚を表現した商品作りを実施したい方は、お気軽にご相談ください。

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